柔道とブラジリアン柔術の違いを解説してみた

柔道&柔術
スポンサーリンク
※記事内に広告が含まれています。

・柔道とブラジリアン柔術って同じような競技なんじゃないの?

・柔道とブラジリアン柔術の違いって何?

そんな疑問を抱いている方もいるはず。

それもそのはず、もともとの歴史を辿ると同じ日本の独自の技術である柔術がルーツの競技です。

そこからそれぞれ発展してきた結果現在に至ります。

私も柔道、柔術をやってきましたがそれぞれ異なる点がいくつかありましたので今回はその解説をしたいと思います。

まずはじめに下記がそれぞれの違いになります。

※個人的な見解のため、ヌケモレや認識齟齬がありましたらご容赦ください。

スポンサーリンク

1,歴史について

冒頭ご説明させていただきました通り、どちらの競技ももともとは日本の柔術から発展してきております。

そもそも柔術とは、戦国時代まで遡り武器がなくなった際の素手で戦う技術として発展していったことが柔術の始まりと言われています。

柔道は、創始者の加納治五郎師範がその柔術を道として教育の要素を取り入れ、体系化していったことで発展していきました。

一方ブラジリアン柔術は、柔道を海外へ広めるために派遣した柔道家の前田光世氏がブラジルへ渡った際にグレイシー柔術の祖であるカーロス・グレイシー氏に柔道を伝授し、それがブラジルで独自に発展した結果、現在の寝技中心のブラジリアン柔術となっています。

2,心技体の違いについて

・心について

柔道は人間教育がすべての目的となっています。

【嘉納治五郎師範 遺訓】

柔道は心身の力を最も有効に使用する道である。

その修行は 攻撃防禦(こうげきぼうぎょ)の練習に由って

身體精神(しんたいせいしん)精神を鍛錬修養し

斯道(しどう)の真髄を體得(たいとく)する事である

さうして是に由って己を完成し世を補益(ほえき)するが

柔道修行の究竟(きゅうきょう)の目的である

出所:講道館公式ホームページ http://kodokanjudoinstitute.org/

「身体と心を鍛え人格の完成をはかり、社会に貢献することである」と示されている通り教育の要素が非常に強い競技となっております。

一方、ブラジリアン柔術は護身の要素が強く自分やその周囲の生命、身体を守ることが目的であることからスキルを重視した競技と言えるかもしれません。

またその性格がゆえに敷居の高さもそれぞれ異なると思います。

子供の教育の1つとして柔道が選ばれたり、護身やダイエットといった目的のためにブラジリアン柔術を選ぶ方が多く、このあたりは競技特性の違いといえそうです。

・技について

柔道は立ち技での一本勝ち、優勢勝ちがあるように立ち技の技術に長けています。

同様に寝技については、絞技、関節技もありますが抑え込みで一本となるためいかに抑え込みに持っていくかが重視されます。

そのため、寝技においては「亀取り」と呼ばれる相手が亀の状態になった時に抑え込みに移行する技術が発展しています。

一方で、ブラジリアン柔術については寝技での攻防によりポイントが与えられることが多いルールであることからいかに失点をせず、寝技で良いポジションを維持して自分の有利な状態に持っていくかが重視されます。そのため、立ち技の技術はそこまで多くないものの寝技の技術は圧倒的に長けています。

・体について

柔道は短い時間の中で一瞬で決まる立ち技での攻防が多いため、瞬発力、持久力、筋力といったフィジカル面の比重が勝敗を決することがあります。

一方で、ブラジリアン柔術はもともとは護身を目的としているためフィジカルよりもスキルと理論に重点を置いているため、柔道と比較するとフィジカル面の比重は少ないと思います。

ただし、寝技に特化しているという特性上柔軟性は必要だと感じます。

怪我という側面でいうと、どんなスポーツや競技にも共通しますがブラジリアン柔術は寝技重視のため怪我がしにくいといわれています。

3,環境について

次に環境ですが、日本での環境はそれぞれ大きく異なります。

柔道は、道場は多くないものの学校教育で必修化されているので授業でやった方は多いのではないでしょうか。道着はピンキリですが、柔術着と比較すると厚くて生地がしっかりしているため少し価格も高めのものが多いと思います。

また、昇級、昇段のルールも体系化されておりポイント制、試験制と厳格に定められており見事合格すると講道館から昇級、昇段を認定されるようになっています。

大会規模やルールに関しては説明する必要もなく五輪競技として認定され、国内にとどまらず世界各国で実施されています。

一方ブラジリアン柔術については、現在国内でも道場、人口ともに増加している印象で著名人がやり始めている事例も出てきています。道着は柔道着と違い生地がやや薄めですが、ワッペンや刺繍がほどこされファッション性も高いものが多いです。

昇帯と呼ばれる帯の色が上がる制度がありますが、基本的には道場の代表の采配により帯を授与されます。

大会規模については、国内では参加人数がそこまで多くなく参加人数が多い大会でも1トーナメント10名に達することは少ない印象です。ただし、年齢別、体重別、帯別に分かれているため1トーナメントは非常に細分化されています。

4,まとめ

いかがでしたでしょうか。

もともとは同じ日本固有の柔術から発展してきた競技ですが、それぞれ別々の良さがあって面白いですよね。

異なる点もありますが、共通点ももちろんたくさんありますので興味のある方は一度どちらも経験すると良いかもしれません。

また今回違いを比較するなかで、柔道とブラジリアン柔術の社会における役割の違いも理解できたように思います。そのため、それぞれ始める対象の方が異なってくるんだなーと理解できました。

冬季北京五輪で金メダルを獲得した平野歩選手も夏季はスケボーで五輪出場し、冬季はスノボーで金メダルを獲得したように、それぞれのメリットを考えたうえでどちらも経験することでシナジー効果が期待できるかもしれません。

今後はそんな選手も出てくるのではないかと個人的には期待しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました