・東海大はなぜ一本をこんなに量産できるの
・数々の有名選手を輩出してきた東海大の技術や考え方を知りたい
そんな思いがある方もいらっしゃると思います。
東海大学は大学の中でも柔道の名門中の名門。
数々の有名選手を輩出し、国内、国際大会で優勝者を輩出してきました。
そんな東海大学柔道部の男子監督上水研一郎さんが監修されている本書を読んでみて非常に参考になることがたくさんありましたので恐縮ですがピックアップしてレビューさせていただきます。
詳細は是非本書をご一読くださいませ。
目次
【柔道本】東海大学流『一本がとれる!柔道立ち技必勝のコツ55』
1,この本で得られること
・東海大学流のタイプ別戦い方
・東海大学流組手理論
・タイプ別の組手、技の入り方
2,著者のプロフィール
上水研一郎 氏
東海大学男子柔道部監督、体育学部武道学科教授。
東海大学相模高校を経て、東海大学に進学し大学院卒業後綜合警備保障に所属。現役時代は重量級選手として活躍。08年より現職になり全日本学生を連覇に導く。また、オリンピックメダリストを数々輩出している名将。
3,『一本がとれる!柔道立ち技必勝のコツ55』のポイント
柔道6区画理論
柔道の試合や練習でも、なぜか分からないけど苦手なタイプという相手はいますよね。
そんな原因をはっきりと身長と組手にセグメントしてわかりやすくタイプ別に対策を提示してくださっているものがこの6区画理論という考え方です。
例えば、自分より高身長かつ相四つの相手に効果的な技は背負投げ、大内刈りなど相手のタイプによって効果的な技を提示しています。
相手との間合い
相手との間合いのことを本書ではボックスと言っておりお互いの釣り手と引手、胸の3点で構成されている間合いをそれぞれの形に表現をしています。
上記3点で構成された形を『正方形』『ひし形』『一直線』の3種類に分けて間合いを作ることで攻防をコントロールすることが出来ます。
「正方形」
自分の力が相手に伝わっている安定した状態、自分より大きい相手と対戦する際はこの正方形ボックスを維持することが重要とのことです。
「ひし形」
正方形ボックスのままでは技が掛けづらいため、釣り手は固、引手を引き寄せてひし形にすることで技をかけやすくする
「一直線」
大外刈り、大内刈りなどの相手と密着してかける技に入るときの間合い、ひし形の間合いを完全に潰して相手に密着させて技をかける間合いにすることができる
詳しくは是非本書をご一読ください。
釣手の手首4パターン
釣手の手首のポイントに絞った技術を4パターンに分類して解説してくださっています。私としては釣手をここまで意識したことがなかったので非常に新鮮な部分でした。
「縦手首・縦肘」
手首、肘ともに縦にしているもっとも基本的な形。
「外手首・外肘」
手首、肘ともに外に向けている状態、奥襟で相手を引きつける、ケンカ四つで間合いをとるなどの際に活用。
「内手首・内肘」
手首、肘ともに内側に向いている状態、相四つで相手の引手をずらす、ケンカ四つで相手の釣手の侵入を防ぐ際に活用。
『逆手首・逆肘』
手首を逆にして、肘が上を向いている状態、自分の釣手の位置をあげる、ケンカ四つで相手の釣手を広げる際に活用。
東海大流の柔道理論
本書では、6区画理論をベースに組手、投技、連絡技、組み際の投げ、相手を利用して投げる手段を解説しています。
その中で、感じたことは
・自分が苦手なタイプに対してそれぞれのシチュエーションでどう対峙すれば苦手を克服できるか
・得意なタイプを確実に対策でき、勝利に導けるか
上記の視点で本書を読むと実際の柔道の練習や試合でも活かせるのではないかと感じました。
タイプ、シチュエーション毎に解説してくださっていますので詳しくは本書をご一読くださいませ。
4,まとめ
大学柔道の中でも名門中の名門である東海大学の柔道理論を惜しみなく解説してくださっており、非常に参考になりました。
今まで、意識せずに試合や練習で感じていたことを体系的に可視化してくださっており非常に腑に落ちる内容となっています。
これをもっと早く知っていたかった…
超一流選手の考え方を垣間みることが出来、これからの練習に活かせそうな技術がたくさんありました。
是非、皆さまも練習に取り入れてみてください。
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